トピックス展「ブリキのカメ展-カメの玩具にあらわれる外来種の影響」

1 主旨

 戦前、日本本土の野外に広く見られたカメは、ニホンイシガメ、クサガメ、それにニホンスッポンの3種のみで、これらはいずれも、褐色や灰色を基調とした地味な体色をしています。ところが戦後になると、米国から、派手な色合いのミシシッピアカミミガメの幼体が「ミドリガメ」の商品名で多数輸入されるようになりました。このカメはやがて逃げ出したり遺棄されたりして野外の至る所で繁殖し、今では多くの場所でその数において、戦前からいた他のカメを圧倒する存在となっています。
 この展示では、収集家の方によって集められたカメの玩具を経時的に並べ、時代とともにその色合いが、ちょうど上記のような野外で見られるカメ類の変遷に対応して、地味なものから派手なものへと変わってきている様子をご覧頂きます。
 一般に在来種や在来生態系への影響という脈絡で取りざたされる外来種ですが、その存在は日常生活におけるわれわれ自身による身の回りの生き物の「典型」の認知を通して、玩具といった文化的な事物にも影響を及ぼすことが、端的に示されています。


2 展示概要

(1) 期 間 平成29年7月15日(土)~ 平成29年10月15日(日)終了しました。
(2) 場 所 兵庫県立人と自然の博物館 3階トピックス展示コーナー
(3) 展示物 パネル3点、ブリキ製のカメの玩具30点


3 協力

山本勝也(兵庫県 神戸市)
Jeffrey E. Lovich(US Geographic Survey, Flagstaff, Arizona)


4 担当
兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境評価研究部系統分類研究グループ
研究部長 太田英利


5 参考

ジェフェリー=イー=ロビッチ・山本勝也. 2017. 侵略的外来種の庶民文化への影響を測る: 日本のカメの玩具にもとづくケーススタディ. 人と自然 第27号、 1-11頁.(本文英文)

6 展示予定資料(一部)

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 日本の在来種ニホンイシガメ(左)と、戦後幼体がペットとしてもてはやされ、
 近年各地で繁殖しているミシシッピアカミミガメ(右)(いずれもパネル展示予定)

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 戦前(左)と1970年代以降のカメの玩具(右二つ)の例(写真提供/山本勝也 氏)



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